「プログラミング教育が学校で始まったらしいけど、学校の学習だけだと不安・・・」「家庭でできるプログラミングの学習はないの?」
そういった悩みを抱える保護者さん、いらっしゃいますよね。
小学校でのプログラミング教育は必修化されたものの、授業時間や内容は限られていて、不足しているのが現状です。子どもたちがプログラミング学習のメリットを享受するためには、家庭でのサポートや取り組みが重要です。
筆者も、小学校で「プログラミング教育」が始まり、何をしたらいいのか、何をするべきなのか、非常に悩んだ経験があります。
この記事では、現在、未就学児から小学生をもつ保護者の方向けに、家庭でできるプログラミング教育の方法をいくつか紹介しています。
家庭でのプログラミング教育を悩まれている保護者の方の助けになれたら嬉しいです。
目次
結論
本記事で紹介する家庭でできるプログラミング教育は、以下のことをお子さんの状況に合わせて実施していくことがおすすめです。
パソコン無しでできること
- 順序立てて話す機会を増やす
- 本で学習する
- プログラミングおもちゃを使う
パソコンやタブレットを使ってやること
- ICTに触れる機会を増やす
- 無料プログラミングツールを使う
- プログラミングスクールを利用する
家庭でプログラミング教育をする際には、子どもの「楽しさ」を重要視することや、子どもに任せきりにしないことが重要です。
プログラミング教育で重要視すべきこと

小学生からプログラミングを覚える一番の効果は「プログラミング的思考」が身につくことです。「プログラミング的思考」とは、論理的思考力とも言いかえられます。
つまり、物事を順序立てて組み立て、必要な情報はなにか、どのように組み立てればよいかを自分の頭の中で整理する力が「プログラミング的思考」と言われています。
小学生の段階でプログラミングを学習することは、「コードを書くことができるスキルを得る」ことが目的ではないのです。
これは、学校でも家庭でも同じです。正直、大人になってからでも、仕事に必要なプログラミングのスキルは習得可能です。小学生でプログラミング学習することで期待する効果は、プログラミングの「考え方」を小さい頃から身につけることだと思います。
小学校だけではプログラミング学習は不十分

2020年に小学校でプログラミング教育が必修化されました。必修化の理由としては、小学生に「プログラミング的思考」を身に着けさせるのが目的です。

必修化とはいえ「プログラミング」という科目が新設されたわけじゃないよ!
小学校のプログラミング教育は時間数の少なさや、指導者のスキルなど、課題が多くあります。
家庭でできるプログラミング教育

小学校でのプログラミング教育は必修化されたものの、授業時間や内容は限られているのが現状です。
子どもたちがプログラミング学習のメリットを享受するためには、家庭でのサポートや取り組みが非常に重要になってきます。ここでは、保護者が家庭で具体的に何をすれば良いかを解説します。
パソコンに触れずにできるプログラミング教育も紹介しています。
順序だてて話す機会を増やす

簡単にできるのは、日々の会話を順序的に話すことを意識してみることです。
実は、私達は日常的に、プログラミング的思考(論理的思考)を使って生活をしています。
たとえば、日常で料理をする際、買い物をして、野菜をきって、煮込んで、確認して、煮えてなかったらもう少し煮て・・・など、「〇〇をしたら△△をする」「もし〜…なら○○をする」など、まさにプログラミング的思考を使えるシーンは日常的にいっぱいあります。
お子さんと話すとき、「この料理はどうつくるの?」「このおもちゃはどうつくる?」などを質問し、順序の説明をさせ、言語化をさせてみましょう。自分の頭の中を整理し、論理的に組み立てる下地が出てくます。
本で学習する
パソコンやタブレットの扱いにまだ慣れていないお子さんには、プログラミングを学習できる本をおすすめします。
「ルビィのぼうけん」シリーズが有名です。「パソコンを使わないプログラミング」を行う書籍として世界中で翻訳されています。指示されたとおりにしか、行動しないルビィの冒険を通して、プログラミングの仕組みを体験します。パソコンにあまり触ったことのないお子さんでも、プログラミングに
「プログラミングを将来的にはやらせたいけど、まだパソコンやタブレットをわたすのはちょっと早いかも・・・」と思っているご家庭は、こういった本を。
ただ、「ルビィのぼうけん」シリーズは、読み方が普通の絵本とは少し使い方がちがうので、はじめは保護者が一緒に読んであげる必要があります。
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ICTにふれる機会を増やす

実際にプログラミングをして、ものを動かしたり処理をしたりしようとすると、ゆくゆくはパソコンやタブレットでプログラミングを行うことになります。
子どものプログラミング能力を高めていくには、やはりパソコンやタブレットといったICT機器に子どもたちが楽しく触れられる環境を作ることが大切です。
小学生におすすめの「ICT慣れ」できる使い方を紹介します。
- パソコンやタブレットで調べ物(好きなおもちゃの発売日など)をする。
- 教育アプリを使う
- タイピング練習をする
- 情報モラル・情報セキュリティを教える
などが挙げられます。
お子さんが小学生なら、学校から一人1台のタブレットかパソコンが貸出されているかと思います。はじめのうちは、学校で貸与されているパソコン・タブレットを使うのもよいでしょう。

パソコンやタブレットは、ゲームやYoutubeといった単なる遊びの道具ではなく、楽しく学習ができるものであることを、お子さんと一緒に体験できるとよいです!。
無料プログラミングツールを使う
ある程度「パソコンやタブレットの操作に慣れている」状態なら、プログラミングの基礎の活動を始めてみましょう。
今は、インターネット上には、子ども向けの分かりやすい画面や操作方法で構成されている、ゲーム感覚で学べる工夫がされたツールがたくさんあります。
簡単なプログラミングを体験するだけなら、自宅でお金がかからずにプログラミングを行うことができます。
Scratch (スクラッチ) おすすめ!


家庭でとりあえずプログラミングをやるのであればスクラッチがおすすめです!
- 対象年齢:8歳〜16歳推奨(小学校低学年からでも使用可能)
- 世界中で最も広く使われている子ども向けビジュアルプログラミング言語。多くのプログラミングスクールでも採用されている。
- 書籍やYOUTUBEなどにお手本・やり方の説明がたくさんある。
- 文字や数字が読めるなら取り組むことができる。
関連記事:小学生におすすめのプログラミングツールScratchってなに?Scratchの始め方・メリットを徹底解説!
Viscuit(ビスケット)

- 対象年齢:未就学児〜小学生
- メガネというツールでに書いた絵を動かすシンプルな仕組み。文字入力が不要
- 複雑なプログラミングはできない。
Hour of code(アワー・オブ・コード)

- 対象年齢:全年齢向け(特にプログラミング入門者)
- 1時間程度でプログラミングの基本的な考え方を楽しみながら学ぶことができます。年間を通じて様々なコースが提供されており、学校の授業や家庭学習で利用できます。
上記で紹介したプログラミングツールは、インターネット環境があればすぐに始められられます。まずは親子で一緒にサイトを覗いてみて、お子さんが興味を持ちそうな内容のツールを選んで試してみましょう。
最初は、うまくいかないことも多いと思うので、保護者が一緒に声をかけながら進めていくとよいと思います。
プログラミングロボットを使う
パソコンでこまごま作業するのは、苦手だというお子さんは、プログラミングロボットを使った学習も選択肢に入ります。ロボットを手先を使いながら、刺激が強くプログラミングを体験することができます。
幼児・小学生低学年:学研 カードでピピッと はじめてのプログラミングカー
全年齢:REGOブースト
小学生高学年以上:KOOV
ロボット教材のデメリットは、初期投資が必要な分、少し注意が必要です。
ロボット教材に興味があるお子さんは、ロボット教材を扱っているプログラミングスクールに通うのも手でしょう。スクールの場合、教材費が分割購入だったり、レンタルだったりと、一括で買うときよりも1回あたりの支払いが少なくなるように設定できる場合が多いです。
プログラミングスクールに入る

「自宅のプログラミング学習に手応えを感じない」
「独学だと子どもが挫折しそう」
というご家庭には、プログラミングスクールに入ることを考えましょう。プログラミングを独学で勉強する最大のデメリットは、「挫折しやすい」という特徴があります。
一方、プログラミングスクールには、自宅学習だけでは得られない様々なメリットがあります。
プログラミングスクールに通うメリット
- 体系的なカリキュラムがある
- 専門知識を持っている先生がいる
- 仲間ができる。刺激がもらえる
- 最新のツールに触れる機会ができる
- アウトプットの場ができる
挫折しやすいプログラミング学習において、プログラミングスクールは、家庭でプログラミングの力を伸ばす選択肢です。プログラミングスクールはさまざまな種類のスクールがあります。お子さんの状況に合わせて、お子さんと一緒にじっくり検討しましょう。
関連記事
家庭での学習での留意点
家庭でプログラミング学習をすることは、お子さんの可能性を広げるすばらしいことですが、家庭で行える注意点もいくつかあります。
まずは子どもの「楽しい」を大切にする

家庭でプログラミング教育をしていく際にもっとも重要なことは、お子さんが、「楽しい」と思いながら学習をすることです。お子さんがプログラミングを「楽しくない」と思ったら、その瞬間から学習効果は一気に下がります。もし、子どもが「楽しんでいない状態」で親が無理やりやらせたとしたら、最悪の場合、プログラミングのことを嫌いになってしまう可能性があります。
小学生段階でのプログラミング教育の最大の目的は、プログラミングスキルを修得することそのものではなく、プログラミングの考え方を身につけることです。小学生段階で、急いでプログラミング学習を前に前に進める必要はありません。まずはお子さんが「楽しい」と思える範囲で学習を進めましょう。
もし、お子さんが飽きてしまったら、一度学習を休んで構いません。プログラミング自体を「楽しくない」とさえ思わなければ、また興味をもったときにプログラミングに戻ってくるでしょう。
ゲーム・動画の見すぎに注意
プログラミングの学習用にタブレットやパソコンを与えていると、ゲームや動画などの誘惑にかかってしまいます。動画やスマホゲームは、お子さんの時間を消費してしまいます。

「プログラミングの学習をしていたかと思えば、何時間もYOUTUBEで関係のない動画を延々みていた」。という親御さんの声もあがっています。
「パソコン・タブレットには誘惑が多い」点を保護者が理解し、「動画・ゲームは1時間まで」などとルールを決めたり、「学習用の端末から動画アプリを削除する」など、制限をかけて管理してあげることも大切です。
子どもに任せきりにせず、保護者がサポートする

家庭でプログラミング学習をする際は、お子さん一人での学習に任せず、保護者が質問したりアドバイスしたりする機会を設けましょう。お子さんのプログラミングの独学の初期は、非常に挫折しやすいからです。
プログラミングは、「スマート」なイメージとはうらはらに、「失敗」と「改善」の繰り返しである面があります。むしろ、1回でうまくいくことは珍しいくらいです。
「ゲームが作れると思っていたのに、全然思うように動かなくてつまらない・・・」と思ってしまうお子さんもいるでしょう。
失敗の原因を探し出すのは、プログラミング初期のお子さんには難しいことが多いです。保護者がぴったりつく必要はないですが、お子さんだけで学習が難しいときには適切にアドバイスをしてあげることで、挫折するのを防ぎ、プログラミングの学習を続けやすくなるでしょう。
まとめ
今回は、家庭でできるプログラミング教育の方法をいくつか紹介しました。小学校で必修化されたプログラミング教育ですが、まだまだ課題が多い状況です。ご家庭の状況や、お子さんの発達段階に合わせて、ご家庭なりのプログラミングの学習方法を探していってください。